腰部脊柱管狭窄症
【腰部脊柱管狭窄症とは】
加令や重労働・体重不可などの負担により腰の変形が進み、次第に腰の中の神経が圧迫 されて部分的に強い狭窄をきたした結果、神経障害の症状が出る疾患です。まれに先天性 の場合もありますが多くは60歳以上の中高年に発生し、加齢と共に進行していきます。
【診断】
腰から下肢全体のしびれや疼痛、脱力感が出現します。典型的な症状として、間欠跛行
が認められますが、重症化するとまれに膀胱直腸障害(残尿感、頻尿)が出現する場合
もあります。
間欠跛行(かんけつはこう)とは?
歩き始めは異常はないが、しばらく歩いていると足のしびれや痛みで歩けなくなる状態。
5分ぐらい座るなど前かがみの姿勢をとると回復し、再び歩けるようになる状態。(間欠:時々、跛行:足を引きずる)動脈硬化などの下肢の血行障害でも認められるが、血流障害の場合は立っているなど安静にしているだけで、再び歩けるようになる。
症状は、圧迫された部位により
①神経根症状(下肢の疼痛は主であり、筋力低下を伴うこともある)と
②馬尾障害(しびれが主であり、膀胱直障害や性機能不全を伴う事もある)に分類されますが
併発(①+②)していることが多く認められます。
【処置・治療】
まず手術を行わない保存的治療から開始します。薬物療法として、一般的な腰痛治療薬(消炎鎮痛剤)に加え、PGE1製剤(腰の神経の血流改善薬)、神経障害性疼痛治療薬 などを処方します。
また同時に運動療法(体操療法と理学療法士による運動器リハビリ テーション)、物理療法(牽引・温熱・低周波など)、注射療法(神経ブロックや血管 注射)も行います。
しかし疼痛やしびれ、運動障害が持続したり、膀胱直腸障害が出現した場合は、すぐに脊椎専門医へご紹介し、手術の適応を検討していただきます。
【ご自身で出来る対策】
加令と共に姿勢が悪くなることを防ぐため、背中を無理に伸ばして歩く方がおられます。
その結果 神経がさらに腰の中で狭窄されて、症状を悪化させる場合があります。また
自己流の体操で悪化する方もおられますので、ぜひご相談ください。